経営分析「古着屋さん」–前編–
どもどもこんにちは。
うるです。
今日はふと疑問に思ったことがあって、
古着屋さんて、儲かっているんですかね。。。?
というのも、僕の友達が古着屋さんの店員をしていて、
いつも店内には店員さんしかいないイメージなんですよね。笑
そいつが接客しているところなんて見たことありませんし。。。
設けどころか大赤字なんじゃないかと思って、笑
いろいろな情報を基に、古着屋経営についてざっくり考えていきます。
今回考える古着屋は海外買い付け型の古着屋です。
ヨーロッパやアメリカに1週間の日程で買い付けに行くと仮定します。
原価については宿泊予約サイトやレンタカーサイト等から推測値を出します。
ざっくりと滞在費と仕入費に分けます。
まずは滞在費。
飛行機で12〜15万程度、平均して13万5000円。
レンタカー1週間3万5000円程度。
宿泊費3万程度(一泊5000円)。
食費等その他雑費2万円(1日3000円程度と仮定、ガソリン代等含む)
滞在費合計21万円
仕入費
商品の原価率については様々な数値が見られます。
シーズンアウトしたものなど仕入時期に応じて原価率10%なんて破格の物もあれば、
ブランド物で、特にオールド品、ビンテージ品としての価値が高いものだと原価率60~70%程の物もあるようです。
ここは買い付け人の腕によって大きく変動してしまいますが、日本の古着屋と比べて圧倒的に安値で仕入れができるようです。
ここは買い付け人の交渉次第で変動しますが平均して40%とします。
原価率35%
仕入れには付随費用として輸送費とTAXがかかります。
ここからは実際の仕入れ数量を仮定した例としてみていきます。
今回70万円分の仕入れをしたと仮定します。
輸送費は70万円分だとおよそ13万円程度、
TAXは仕入れ値と輸送費の83万円に対して関税分と消費税分が課せられるため16万円程度。
(関税は仕入れ品目の内容によって変動します)
よって、仕入れ付随費用29万円。
数値を基に損益を求めていきます。
売上
仕入れ値70万円÷原価率35%=200万円
売上原価
120万円
(内訳)
・滞在費21万円
・仕入70万円
・仕入付随費29万円
売上利益
80万円
この仕入れに掛かる売上高利益率は40%となりました。
(滞在費を期間費用と見た場合の貢献利益率は50%)
一回の買い付けで70万円分仕入れてくれば80万円の利益をあげられることになります。
とはいえ、120万円は買い付け時に流出してしまいますが、この商品はすぐに売れるわけではありません。
それどころか、120万円の売り上げを上げるまでは当仕入れに掛かるキャッシュは赤字になっています。
利益を上げるためには原価率を下げることが求められ、販売数の減少を抑える為に売値を据え置く場合
仕入れ値を下げなければなりません。
そこでシーズンアウト品の仕入れを行うとすると、その仕入れに掛かるキャッシュアウトを回収するのは半年〜1年先となります。
また、当然売れ残る商品もあります。
仮に15%が売れ残るとすると、売上高はおよそ30万円減少し、費用は不変のためダイレクトに利益が30万円減少します。
(当然売れ残りの処分価格や廃棄時に掛かる費用、利益に掛かる税金の変動はありますが今回は簡略化して無視しています)
70万円分の仕入れで80万の利益が出る。
これだけ聞くとめちゃくちゃ儲かりそうな話ですよね。
原価率が35%は他業種と比べても低い値です。
つまり利益が出やすい性質の商品を扱っていると言えます。
需要さえあればの話ですがね
買い付けられた古着服はこだわりのあるアイテムが多く、時にブランドのデッドストックだったりします。
コレクターやオシャレさんからは欲しがられるアイテム達ですが、
必需品ではなく、むしろ金銭的に余裕のある時にしか買い手が現れないアイテムです。
実店舗を構えていても、服を買いに行く、見に行くといった欲求が顧客の中に生まれてからようやく商品に目が向けられます。
また、週2や週3で外食したり飲みに行く人はいますが、そんな頻度で服を買っている人は少ないはずです。
さらに近年のファストファッションブームもあり安価でデザインの良いシーズン限りの商品を買う人も多いです。
ゆえに古着屋は需要の絶対数が少ない商売だと言えます。
さて、今回は仕入れに掛かる損益について簡単に分析しました。
原価率が低く、利益を生みやすい商品ではあるものの、売れ残りが多いのも事実。
また需要の小ささから売上高は上がりにくく、資金繰りが難しい印象です。
さらに、今回の分析は商品自体の収益性について見ていたため実店舗を考慮していませんでした。
そこで次回は実店舗を経営している状況を仮定してみようと思います。
長々と書きました、、、